ドコモがサービス提供を始めた「ローカル5GサービスTypeD」とは?
NTTドコモではドコモのキャリア通信設備を活用して、冗長性と高い保守性を低コストで実現するローカル5GサービスTypeDの提供をスタートさせています。このサービスによって顧客のローカル5G導入のハードルを下げて、より便利で快適な通信環境の構築に貢献することが可能です。ここではドコモのローカル5GサービスTypeDについてまとめてみましょう。
【ローカル5GサービスTypeDの背景とは?】
無線システムにおいてローカル5Gを活用すると無線回線の逼迫や干渉の影響を受けづらいなど、通信の安定性においてさまざまなメリットがあります。しかし設備構築や保守環境の整備にかかるコストや、無線免許取得に関連する煩雑な対応などが障壁となって商用環境への導入は進みにくく、ローカル5G市場の拡大は想定よりも遅れているのが現状です。
このような課題に対応するために登場したのがドコモの「ローカル5GサービスTypeD」です。ローカル5GサービスTypeDはドコモビジネスを展開するNTTコミュニケーションズ株式会社によるサービスであり、株式会社NTTドコモのキャリア通信に用いられる設備を活用しているサービスです。2025年2月にドコモから提供がスタートしたローカル5Gトータルサポートを活用して、ローカル5GサービスTypeDを提供しています。
【ローカル5GサービスTypeDの特徴とは?】
ローカル5GサービスTypeDとはいったいどのようなサービスなのでしょうか?従来のローカル5Gサービスでは設備のほとんどをお客さんの拠点内に設置する必要がありました。しかしローカル5GサービスTypeDではドコモのキャリア通信設備を活用して、ローカル5Gネットワークを構築します。
【ローカル5GサービスTypeDのメリットとは?】
ローカル5GサービスTypeDを活用するとどのようなメリットが得られるのでしょうか?ローカル5GサービスTypeDのメリットについてまとめてみましょう。
<冗長性や高い保守性を低コストで実現できる>
交換機やデータ処理部(CU)、無線信号処理部(DU)、U-planeデータ処理装置(UPE)などの設備はドコモのキャリア通信設備と共用されていて、キャリアレベルの冗長性を実現できます。また無線周波数を冗長させたネットワーク構築も可能です。
またローカル5G設備の監視保守はドコモの作業スタッフがキャリア通信設備と合わせて行います。そのためお客さんの方で専門の人員を用意する必要は全くなく、手間が省けコストも減らせるでしょう。無線設備を専門で取り扱ってきたドコモの作業者が24時間365日体制で監視を行っており、ドコモは全国各地に保守拠点があるため全国への駆け付け保守が可能です。
<クラウドやインターネット接続のコネクティビティを一体提供できる>
ローカル5GサービスTypeDではNTT ComのArcstar Universal oneやFlexible Inter connectと組み合わせてサービスを提供しています。そのためお客さんのデータセンターに繋ぐだけではなく、要望に応じて各種クラウドサービスやインターネットへ接続することも可能です。全体の構成検討から構築までをNTT Comが一括で網羅できるでしょう。
<省スペースで構築>
ローカル5GサービスTypeDにおいてお客さんが敷地内に設置する設備は無線装置とアンテナのみです。従来よりも設置スペースを削減できるため、省スペースで構築が可能です。またラックの設置や配線なども必要なく、エリア構築をよりスムーズに行えるでしょう。
<免許取得はなし>
通常であれば、ローカル5Gを利用する場合には無線免許の取得や総務省への届け出が必要です。申請書類の作業対応などもあり専門スタッフが必要になることが一般的です。一方、ローカル5GサービスTypeDでは無線の免許人はNTT Comになるため、お客さんが無線免許の取得やサービスにかかる総務省への届け出の対応をする必要はありません。
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